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最⾼のパフォーマンスが引き出されるかも?!「下⽥散歩」のすすめ

パワフルに仕事をこなす⼈こそ、最⾼のパフォーマンスを追求する⼈ほど、「空⽩の時間」=「休息」が重要だといわれています。

Apple 創業者のスティーブ・ジョブスが、仕事の合間に「瞑想」や「散歩」を取り⼊れていたこ とはよく知られていることです。ジョブスは、オフィス周辺の緑多いエリアを⻑時間散歩する ことで、深く思考し、問題解決につながるヒントや、創造的なインスピレーションを得ていた そうです。また、⼤事な会議においても、室内で座って⾏うのではなく、相⼿を散歩に誘い、 歩きながらミーティングすることを好んでいたとか。

下⽥でワーケーションを実践する⽅々を⾒ていると、もりもり仕事をして実績を上げている、 いわゆる「仕事のできる⼈」ほど、積極的に休息や遊びを取り⼊れている印象があります。き っと彼らは、働いていない時間をどう過ごすかによって、パソコンに向かっているだけでは⽣まれない創造性が刺激され、思いがけない斬新なアイデアや求めていた「解」が導き出せるこ とを知っているのでしょう。

観光地でもある下⽥には、ビーチや温泉、新鮮な海産物など、たくさんのアクティビティがあ りますが、今回は「創造性を刺激する」「最⾼のパフォーマンスを導き出す」という点にフォー カスし、おすすめしたい下⽥散策エリアをご紹介します。

「みなと橋」から下⽥公園をのぞむ。感性を刺激する下⽥散歩はここから。

変化に富んだ下⽥湾周辺を散策。時速 4 キロの思考

ご紹介するのは、稲⽣沢川が海に注ぐ船着き場に架かる「みなと橋」を起点に、湾岸エリアをめぐり、海中⽔族館から「和歌の浦遊歩道」へと進み、「鍋⽥浜」をゴールとする約 4 キロのコ ースです。 下⽥は散歩好きな⼈も多く、⽝を連れたり、ウォーキングシューズにトレーニングウエア姿の ご夫婦が海沿いを歩いている⾵景をよく⾒かけます。

筆者も散歩が好きで、このコースは仕事から離れて休息をとるため、そして再び仕事を進めるためにたびたび歩いています。仕事の合間のリフレッシュ、という意味もありますし、ときには、漫然と机に向かっているだけでは湧いてこないひらめきを求めて、歩き始めることもあります。

どんなコースか、ここで⼀緒にたどってみましょう。

まるでマルセイユ? 下⽥港エリア

「みなと橋」は両岸に漁船やヨットが碇泊し、真正⾯に下⽥城址(現下⽥公園)をのぞむ広々 とした眺望が気持ちのいい場所です。たっぷりとした⽔⾯に船がたぷたぷと揺れ、ときおりカモメやウミネコたちがひゅーっと⾶んでゆく姿なんかを眺めていると、どこか南仏の港町にい るような錯覚に。

実際、フランスからいらした⽅に「下⽥はマルセイユのようだね」といわれたことがあるくらいなんですよ。

たくさんの船が碇泊する港。どこか⽇本じゃないみたいじゃないですか?

そのまま河岸を進み、夏の夜は⽵の灯りに包まれる「弁天橋ボードウォーク」へ。ここは、下⽥市内に 3 箇所あるポケットパーク(市街地に設けられた⼩さな公園)の⼀つで、⽊製のデッキにテーブルとベンチが設置されており、だれでも⾃由に使うことができます。
港町らしい⾵景が広がる場所なので、ここで本を読んだり、ぼーっと海を眺めているだけでも脳の休息、リフレッシュにつながりそうです。

河岸に整備された弁天橋のウッドデッキ。テーブルと椅⼦も設置されています。

離島へのロマンと三島由紀夫の創作秘話

県道 117 号線に出ます。開国の歴史に名を刻むペリー提督の胸像と、アメリカ海軍から寄贈された錨(いかり)が飾られる「ペリー艦隊来航記念碑」があり、そのまま歩を進めると、下⽥から利島、新島、式根島、神津島の 4 つの離島へ向かう神新汽船の発着所があります。⼤きなフェリーが何隻も碇泊する姿はじつに勇壮。海へのロマンを駆り⽴てられます。

そのまま⼊り組んだ海岸線を歩いていくと、かつて三島由紀夫も通った磯料理「辻」があり、さらに進むと、「下⽥海中⽔族館」に出ます。

⼊⼝の池には下⽥のビーチに⽣息するウミガメた ちが飼育されていて、散歩者をお出迎え。運が良ければ、⽔族館周辺の⼊江に⽣息するイルカたちと出会えるかもしれません。

桟橋を進んでいき、「和歌の浦遊歩道」のスタート地点へ。
エメラルドグリーンが美しい鍋⽥浜まで続くこの遊歩道は、フランスのミシュラングリーンガ イドにも掲載されている⾵光明媚な歩道です。 下⽥に頻繁に訪れていた三島由紀夫は、この先の東急ホテルに逗留し、毎⽇のように海沿いのこの通りを歩いたそう。そこで受けたインスピレーションをもとに、下⽥を舞台にした短篇『⽉澹荘奇譚(げったんそうきたん)』を書き上げたことは地元では有名です。

海に浮かぶ下⽥海中⽔族館。イルカをはじめとする海の⽣き物たちと出会えます。

荒磯とワイルドな海辺の植物たち

下⽥でワーケーションをされる⽅には、この遊歩道だけでもぜひ歩いてみていただきたいと思います。荒々しい波が打ち寄せるゴツゴツとした岩が連なる磯。眼前に広がる太平洋。舗道の 陸側は切り⽴った岸壁がせまり、ハマカンゾウ(海岸に咲くオレンジの百合)をはじめとする、海辺の多様な植物たちが⾃⽣しています。

ワイルドで、都市⽣活では味わえない⾃然のエ ネルギーに包まれる場所で、ここを歩くたびに私は視覚的、触覚的な刺激に圧倒され、驚きと解放感と、そしてひらめきを得ています。
「和歌の浦遊歩道」は「⼤浦海岸」という穏やかな⼩さな湾をめぐるように舗装されており、 夏は海⽔浴、磯遊びのファミリーで賑わいます。浅瀬の潮だまりで、イソギンチャクや⾙類、 ⼩⿂などを⾒るのも楽しく、気の向くままに磯に下りたり、海辺の植物を観察したり。岩場に座ってぼんやりしたり。

下⽥でしかできない「休息」を満喫できる、地元⺠も愛するとっておきの散歩道なのです。

和歌の浦遊歩道から下⽥東急ホテルをのぞむ。
切り⽴った岸壁。地層をじっくり観察するのも興味深い。

海と⼭に囲まれた下⽥をイノベーションの源泉に

世界的な作家であり、アクティビストでもあるレベッカ・ソルニットは、⼈類にとって歩くこ とがもたらしたものを考察した歴史書であり思想書でもある『歩くことの精神史』(左右社)のなかでこう語っています。

「机は⼤きなスケールの物事を考える場所ではない」

そして彼⼥は⽴ち上がり、好んで歩いた岬までの道のりをたどるなかで、思索をめぐらせ、深めてゆき、この⼤著を書き上げたのです。

「歩く」という⾏為は、⼈間が⼆本⾜で歩⾏するようになって以来、ずっと⼈類の歴史ととも にありました。特別なことはひとつもないけれど、私たちは何かを考えようとするとき、⾃然 と「歩く」ことを選んできたような気がします。
人びとはかつて、知らず知らずに歩くこと、移動することで新しいものを編み出してきましたが、現代に⽣きる私たちはその不思議を戦略的に取り⼊れて、「働かない時間」を「魂の解放」と「創造の源泉」に換えることができるはずです。

幸いにして下⽥のまちには、⾄るところに魂を解放させ、創造性を刺激する⾃然と歴史の痕跡が点在しています。

今回は、湾岸沿いの遊歩道を紹介しましたが、ほかにも、6 ⽉になると⼭いっぱいにあじさいが咲き乱れる下⽥公園の森を散策するコースや、柿崎のハリスの⼩径から⽖⽊崎へと抜ける伊⾖半島ジオパークを体感するコースもおすすめです。

⼭⼀⾯に多種類のあじさいが咲き乱れる下⽥公園。
(6 ⽉の写真です)
ちょっと⾜を延ばして⽖⽊崎へ。

ぜひ、みなさんも⾃分だけのお気に⼊りの散歩道を下⽥で⾒つけてみてください。
そして、下⽥での散策によって⽣まれるひらめき、思索、新たな挑戦への意欲……を存分に仕事や創作に活かしていただきたいと願っています。
それこそが、ワーケーションの地として下⽥をおすすめする最⼤の理由なのです。

感性を刺激されたあとの仕事は捗る!

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