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下田でオススメのワーケーション施設をご紹介します!

テレワークが定着し、時間と場所の制約を受けない「新しい働き方」が広がるなか、「どこで」仕事をするか、の選択肢が多様になりました。
きっかけはコロナ対策だったかもしれませんが、自由に働く場所が選べるようになったいま、自分は「どこで」仕事をしたいか、ひいては「どこで」人生を過ごしたいかを主体的に考え、行動に移す人が増えているようです。地方移住や二拠点生活、多拠点生活が注目されるのはそのため。新しいアイデアや発想、心身のリフレッシュを求めて、いつもとは違う環境に身を置き、いつもとは違う時間を過ごそうとワーケーションを利用する人もいるでしょう。
今回は、下田でワーケーションを検討されている方、すでに利用したことはあるけれど、新たな動向が知りたい方のために、ワーク環境に加えて、観光やアクティビティにも最適な施設をご紹介! 地域とのつながりをもちたい方、下田への移住や二拠点生活を考えている方にも参考になると思います。



ワークもバケーションも充実間違いなしの「可惜世」

元JA伊豆太陽下田支店だったビルを約1年かけてフルリノベーションした「可惜世」。コンクリート造りのクールな建物が古い街並みに映える。

今回ご紹介するのは、2023年5月、下田の中心市街地にオープンしたばかりの「可惜世 -あたらよ- 」。こちらは、長期滞在を可能とするリーズナブルな価格帯のゲストハウスに、仕事をするためのコワーキングスペースとシェアオフィス、加えて多様な利用が可能なシェアキッチンを兼ね備えた、複合型コミュニティスペースです。

運営を行うのは、伊豆半島のつけ根にある伊豆市修善寺の工務店「ネクストスタイル」。静岡県東部を中心に、新築住宅やリノベーションを多数手がけ、不動産事業も展開しています。代表の木村正軌さんは、仕事で下田に通うなかで、他の地域にないポテンシャルがこのまちにはあると感じるようになったといいます。

可惜世を運営する「ネクストスタイル」代表の木村正軌(まさき)さん。「可惜世は箱。主人公はあくまでも人。いろいろな人がここを舞台に交流することで、新しい何か生まれ、ワクワクするようなことが走り出すのではと期待しています」

「日本じゃないみたいな空気感。ヨーロッパのリゾート地とかハワイとか。どこかあか抜けていて、外国人が多いのもなんとなくわかる気がします。下田は首都圏から電車でも車でも3時間以上。決してアクセスがいいわけではありませんが、遠くてもわざわざ訪れる価値があるという方々はたくさんいます。コロナ禍でリモートワークが当たり前になり、下田にもワーケーション施設ができて、若い人たちがたくさん利用して仕事とバケーションを謳歌している姿を目の当たりにしました。

僕も彼らと下田の飲み屋で一緒に飲んだんですが、みんな日中はがっつり働いて、業務が終了したらサーフィンしたり、温泉入ったり、飲みに繰り出したりして、めちゃくちゃ楽しそうだった。聞いたら、企業のPRを請け負っていたり、映像の仕事をしていたり、起業家もいて。自分でワークライフバランスをとりながら、仕事をハンドリングしている彼らのような働き方は、コロナが明けても変わらないだろうと思った。むしろ、働き方の多様性がどんどん進んで、地方にいながら東京の会社に勤めたり、場所の制約を受けずに働けるようになるだろうと。
そうした“どこでもオフィス”ができる人たちのための受け皿が下田にもっと増えたら? ポテンシャルはもともとある場所なのだから、可能性はもっと広がるに違いない。
そんな将来的なイメージが浮かび、まちなかで長く空きビルになっていた物件(注・旧JA伊豆太陽下田支店)を取得。宿泊施設とワークスペース、それにキッチンの機能をもたせた複合施設にリノベーションして活用することにしました」

工事中の様子。当初は2022年秋のお披露目を目指していたそうですが、大がかりな工事にコロナ禍の逆風も影響して予定より大幅に遅れてのオープン。でも、今年最も賑わった催事のひとつ5月の黒船祭にば間に合いました!

まち歩きも、ビーチも、温泉も、まるっと楽しめます!

ワーケーションの醍醐味は、自分が好きな場所を選び、スケジュールを自己管理しながら「働く」と「休む」のバランスを自分で決められることにあります。もちろん、仕事をしに来ているのですから、締切やノルマのなかで時間配分を考える必要はあるでしょう。それはオフィスワークでもテレワークでも同じ。ただ、自宅とは違う土地に何日か滞在しながら働くとなると、自分で決める要素が多くなります。場所選びに始まり、滞在期間は何日にするか、一人で行くか、家族や友人、同僚となのか。仕事以外の時間には何をして過ごすか……。幾通りもの選択肢があるなかから、自分はどうしたいかをまず考える。それがワーケーションのファーストステップといえます。

「可惜世」の強みは、そうした多彩な選択肢(ニーズ)に応えられる要素が揃っていることです。ひとつはロケーション。駅から徒歩10分圏内で、まわりにはコンビニ、スーパー、郵便局、銭湯(温泉です!)などが揃い、「あれがなかった」と滞在に困ることはまずないでしょう。しかも、たくさんの船が碇泊する港までも近く、ちょっと気分転換に海を見に行くことだってできます。

「可惜世」から数分歩けばこの景色。潮風を胸いっぱいに吸い込んで、港を歩くだけでリフレッシュして、新しいアイデアが浮かんできそう。

「働く」に特化したスペースと設備を完備

いや、自分は仕事するならがっつり集中して、休暇とのメリハリをつけたいという方。ご安心ください。後述しますが、可惜世には「働く」に特化したスペースが充実しています。個室スペースや、機密性の高い会議室まで。もちろんWi-Fi完備。オンライン会議や動画配信も快適に行えます。
コロナ禍以降、ワーケーションができる施設は全国にたくさんできましたが、場所によっては自分の希望どおりに過ごせないことも。個室の用意がなかったとか、コンセントが離れていて、延長コードが必要だったとか、細かいことかもしれませんが、サクサク仕事がしたいときに、小さな不便はストレスになります。こちらは、テレワークに欠かせない設備が完備されているので、よほどのことがなければその心配はなさそうです。

「可惜世」がワーケーションに最適な理由

「可惜世」では、実際にどんな「下田deワーケーション」ができるのか。
設備を紹介しながら見ていくことにしましょう。

まず、ワーケーションの足がかりとなる宿泊について。
ビルの2階をゲストハウスにフルリノベーション。一人から団体まで多様なニーズに応えられるよう、各種プランが用意されています。全室Wi-Fi完備。コンセント、USBポートも設置されており、広めの個室(平日1泊4500円・税込〜)ならデスクもあるので室内で仕事も可能です。最大10名泊まれるドミトリー(男女別)は、さらにリーズナブルで1人1泊平日2800円(税込)から。
観光地下田は、ラグジュアリーな設備とサービスを整えたホテルや旅館はたくさんありますが、気軽に宿泊できる場所が少なかったので、ワーケーションで長期滞在したい方や宿泊の費用を抑えたい方にとって「可惜世」は重宝しそうです。

窓から明るい光がさしこむドミトリー。閉塞感はなく、ゆったりくつろげそう。清潔なリネン類に、シャワールーム、ランドリー、タオル、歯ブラシなどのアメニティもひととおり揃う。

そして、1階のワークスペース。天井が高く、大きな窓から明るい光が差し込み、快適に仕事ができそうです。20人ほどが利用できる広々としたコワーキングエリアは、好きな席を選べます。より集中して仕事がしたい場合や、オンラインミーティング、打ち合わせ時には半個室のスペースが最適。さらには元金融機関だった名残を感じられる会議室は、なんと堅牢な金庫をリノベーションしたもの。機密性が高いのですべてをシャットアウトして仕事に取り組みたいときや、重要な会議(オンライン、リアルともに)など活用方法はいろいろ。

天井が高く、広々としたコワーキングスペース。大きな窓が印象的。コンクリートと天然木を使った内装で落ち着いて仕事ができる。
元金庫を活用した機密性の高い会議室。こもって仕事をしたいときにも重宝する。

平日2800円〜のリーズナブルな価格設定

嬉しいのはその価格帯です。
ゲストハウス利用者であれば、滞在中はこれらのワークスペースが無料で利用できます(会議室のみ1時間500円)。たとえば3泊4日のワーケーションで利用したとしましょう。

1日目の15時にチェックインし、そのままコワーキングスペースでデスクワークをこなし、夜は徒歩圏内に点在する魅力的な飲食店で食事をしたりお酒を飲んだり下田のナイトライフを楽しむ。
2日目。朝早く目覚めたら、港のエリアを散歩。おなかが空いたら朝から営業している食堂や喫茶店で朝食。戻って仕事スタート。ランチタイム。せっかく金目鯛のまち下田に来たのだから近くのお寿司屋さんとか海鮮料理店でちょっと贅沢しよう。午後は、夕方からのオンライン会議にそなえ、半個室で引き続きワーク。
3日目。この日は温泉町下田を満喫しようと、朝9時からやっている銭湯へ。すっきりした頭で仕事を始める。ランチは昨日見つけた干物屋さんで購入した干物を併設のシェアキッチンで焼いて、隣のおにぎり屋さんのおにぎりと。この日は早めに仕事を切り上げて、夕方から防波堤で海釣りを体験なんてのもいい。
4日目。帰る前にどうしてもきれいな海が見たくて、朝一番のバスで白浜ビーチへ。真っ白な砂浜に透き通った海に感動。宿へ戻り、メールチェックを終えてチェックアウト。

港に抜ける小さな通りに何軒かの干物屋やさんが並ぶ通り。好きな干物を調達して、キッチンで焼いて食べるのも楽しい。

たとえばのモデルですが、3泊4日でこれだけのことができるんです。
しかも、平日のドミトリー利用であれば費用は8400円、個室を選んでも、13500円です。この価格帯であれば、ワーケーションという新しい働き方を試してみたい方もチャレンジしやすいのではないでしょうか。

過ぎるのが惜しいほどに素晴らしい下田時間

ところで、「可惜世」という変わった名前の由来は?
「飲みの席で決まったんですよ」
こちらの質問に、代表の木村さんが笑って教えてくれました。

建物の改築工事が終盤を迎え、いよいよ名前をどうしようかというとき。事業のアドバイザーで地域活性事業を多数手がける「合同会社コアキナイ研究所」代表の森田陸さんと下田の居酒屋で飲んでいたときのこと。
「あたりめを囓っていたら、森田くんが言うんですよね。『木村さん、アタラヨって言葉知ってますか?』って。万葉集の歌で、過ぎていくのが惜しいほど素敵な夜のことを“可惜夜”というと。そこからヒントを得て、“夜”を、世の中の“世”にかえて、ネーミングしました」
つまり、「可惜世」という施設名には、下田でのワークもバケーションも、過ぎていくのが惜しいくらいに素晴らしい時間であってほしいという願いが込められているのです。

オープンして4カ月。可惜世にはフリーのコワーキングスペース以外に、月額制のシェアオフィス3区画と、サテライトオフィスとしても活用できる2区画があり、現在、すべて埋まっているそう。8月はゲストハウスも満室になる日が続き、順調な滑り出しといえるのではないでしょうか。

移住、二拠点生活の相談にものってくれます

移住コーディネーターとして活動する地域おこし協力隊の野添裕紀さん。 シェアキッチンを借りて本格的なカレーを提供する「ヨナヨナカレー研究所」の料理人という顔も。

可惜世では、市が一部スペースを借りて移住相談所を開設しており、移住コーディネーターとして活動する地域おこし協力隊の野添さんが相談を受け付けています。手頃な価格で長期滞在が可能な可惜世は、下田に暮らす感覚でワーケーションができるのが大きな魅力。住んでみたい。もうひとつ拠点を持ちたい。移住したい。そんな気持ちが湧いてきたら、野添さんに気軽に相談してみてください。別の地域からの移住者でもある野添さん。移住暮らしのリアルなあれこれを教えてくれるに違いありません。

観光以上、移住未満の下田ファンが地域を変える!?

よくワーケーションの醍醐味は、仕事をしながらその土地ならではの体験ができることにあるといわれます。下田市では、それに加えてワーケーション滞在者と地元の人たちとの自然な交流が生まれることも大きな魅力だと考えています。木村さんが下田の居酒屋でワーケーションで訪れた若い人たちと一緒に飲んだように、下田は開国の歴史があるからでしょうか。昔から外からやってくる人たちを受け入れる素地があったように思います。木村さんは、可惜世が従来のゲストハウスやコワーキングスペースの枠をはみ出し、いろいろな人たちとの交流の場になればと思い描いているそうです。そのための仕掛けとして、今後は、定期的に人が集まるイベントを開いていきたいといいます。
「下田を気に入ってワーケーションで訪れる人はクリエイティブな仕事をしている方が多い。彼らと地元で何かチャレンジしたい人がつながることで、新しいイノベーションが起きるかもしれない。考えただけでワクワクしますよね」

1階のコワーキングスペースで開かれた地域交流会の様子。ワーケーションで訪れた人たちと地元民が仕事や暮らしについて語り合った。

実際、地元の若手寿司職人による出張寿司イベントが開かれたり、コロナ禍で保留になってしまいましたが、地元産業を知る目的の小学校の課外授業が検討されたりと、さまざまな試みが始まっています。

地域革新の発火点は可惜世から。
ワーケーションを通じて下田の関係人口が増え、新しいビジネスやエリアリノベーションのグッドアイデアが生まれる日は、(期待を込めて!)そう遠くないかもしれません。

そのほか、下田市内には、泊まれて仕事もできる快適な施設がほかにもたくさんあります。
ぜひ、こちらのリンクから検索してみてください。お気に入りのワーケーション施設が見つかるかもしれません。