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今、あらためて『下田deワーケーション』

コロナ禍となってからリモートワークやオンラインミーティングが普及したこともあり、観光地での新たな滞在のあり方として『ワーケーション』という言葉をよく聞くようになりました。
ワークとバケーションを合わせた造語のワーケーション。
実は、下田市ではコロナ禍の前よりその普及に取り組んできました。
でも、そんなワーケーションが話題に上がると、必ず聞こえてくる意見があります。
「仕事と休暇は分けたい!」
「休暇にまで仕事を持ち込みたくない…。」
などなど…。
そんな意見は確かに、と思う半面、ここ下田では『ワーケーション』という言葉が普及する以前より、あたり前に仕事…というか日常の中にバケーションの要素を取り入れたライフスタイルが浸透していました。

下田ではあたり前?日常の中のバケーション』
例えば…
早朝にサーフィンをしてから仕事に行く。

仕事を終えた夕方は釣りを。

海に囲まれた下田には多くの釣りスポットがあります。

子ども達は、暖かくなってきたら学校がある日でも放課後には海に飛び込み。

また、温泉地でもある下田には共同浴場のある地域もあったり、まちなかの銭湯が温泉だったり、日常的に温泉を楽しんでいる人も多くいます。

地元民に親しまれている温泉銭湯「昭和湯」。
450円というリーズナブルな料金も日常使いにはありがたいです。
(公衆浴場である銭湯は、都道府県でその料金が定められています)

また、アクティビティや温泉には縁がないという人でも、美しい景色の海沿いの道を車で走るというのは、下田で暮らす人にとってはあたり前すぎる日常でもあります。

夕方、車を走らせているとこんな景色に出会うこともしばしば。

このように、日常の中にバケーションの要素を取り入れて暮らしてきました。
つまり、その言葉が世に出る前から下田の人はワーケーションをしてきたとも言えるのです。
こうした暮らしは、これまでであれば下田のような観光資源に恵まれた土地に暮らす地元民の特権だったのかもしれません。

元祖『下田deワーケーション』は文豪 三島由紀夫…?

ただ、過去には地元民以外でも下田でバケーションを楽しみ、その刺激を日々の仕事…というか創作活動に役立てていた方がいます。
文豪 三島由紀夫です。
三島由紀夫は下田東急ホテルを常宿としていて、早すぎる45歳の人生の終盤7年の間、夏休暇を下田で過ごしていました。
滞在中は、下田の海や下田の人たちとの交流を楽しみ、そしてホテルにこもっては執筆を行っていたそうです。

三島由紀夫が通ったビーチ、鍋田浜
ここで披露された彼の最先端?過激?な露出度高めの水着に当時の下田の人たちは驚いたとか。
ミシュランで2つ星を獲得した『和歌の浦遊歩道』。
よくここを散歩していたそうです。

下田を題材とした短編小説がうまれたり、また、滞在中に晩年の大作『豊饒の海』を完成させたりと、下田滞在がその作品にも影響を与えていたことも見てとれます。
「下田は僕の夏の故郷です」
と、公言するほどに下田に思い入れたっぷりだった文豪 三島由紀夫の下田の過ごし方こそ、『ワーケーション』だったのかもしれません。

とはいっても、原稿用紙と筆記用具さえあればどこでも作品を生み出せる『小説家』という職業はかなり特殊であり、また、その小説家においても日本を代表するような存在の三島由紀夫だから、ホテルに長期滞在できるような経済的余裕があったともいえます。
つまり、当時の『ワーケーション』は、かなり特殊な事例だったといえそうです。

三島由紀夫が下田滞在中は週に一度は通ったまちなかの洋菓子店『日新堂』
こちらのマドレーヌを特に気に入っていて、居合わせた他のお客さんにも
『日本一のマドレーヌですよ』とおススメしたという。

文豪でなくともワーケーションを出来る時代に!

ところが、IT技術の進化でリモートワークやオンラインミーティングが普及したことにより、仕事によっては場所を選ばずにパソコンひとつあれば出来る時代となりました。
そして、そんな流れを受けて、下田にはワークスペースやシェアキッチンを備え、長期滞在を可能とする宿泊プランのあるワーケーション向け複合施設『LivingAnywhere Commons伊豆下田』が2019年に開業。
こうした状況もあり下田でのワーケーション滞在がより身近なものとなったのです。

LivingAnywhere Commons伊豆下田は、宿泊施設でありながら月額料金が設定されていて、
暮らすように滞在し、仕事をしながら観光も楽しむ『ワーケーション』のハードルが下がり、
身近なものとなりました。

とはいっても、当時リモートワークやオンラインミーティングを取り入れている人はかなり少数派でした。
ところが、2020年に大きく流れが変わります。
コロナ禍、つまり新型コロナウイルス感染症の流行がはじまってしまったのです。
『密』を避けることが推奨され、都市部の多くの会社がリモートワークやオンラインミーティングを余儀なくされました。
ただ、都市部に暮らす人の多くは自宅がそこまで広くないという状況もあり、長時間家にこもって仕事をするというのがなかなか厳しかったようです。
そんな事情もあり、郊外に移住したり、また、移住するまではしなくとも下田のような観光地に長期滞在して仕事をする『ワーケーション需要』が高まってきました。
前述したように観光地下田としては、コロナ禍となる前から新たな観光地滞在のあり方としてワーケーションは大きな可能性を見出していました。
こうした取り組みが功をそうして、『ワーケーション先進地』として多くの方にワーケーションの地として選んでいただくようになったのです。

ワーケーションで下田に訪れてサーフィンをはじめた、そんな方も多いようです。

アフターコロナにワーケーションはどうなる?ワーケーションは新たなステージへ。

2023年5月にはコロナウィルス感染症が季節性インフルエンザと同類となったことで、祭やイベントがコロナ禍以前のように開かれるようになりました。
では、普及したリモートワークやオンラインミーティングはなくなってしまうのか?というとそんなことはなく、リモートワークやオンラインミーティングのメリットは浸透し、『アフターコロナ』時代にあっても定着したともいえます。
そして、リモートワークやオンラインミーティングと共に普及したワーケーションも、アフターコロナとともに新たなステージに入ったともいえます。本来のワーケーションは、その地に暮らすように滞在し、仕事もしつつ観光も楽しむこと。
観光に比べて滞在期間も長いこともあり、より地域との関わりも深くなります。
前述したように、昭和の時代に下田でワーケーションをしていた三島由紀夫は「下田は僕の夏の故郷です」と公言していました。
こうした発言も、地域との関わりを持っていいたからこそであり、観光で一度や二度、訪れるくらいでは『故郷』という言葉は使わななかったでしょう。

ところが、コロナ禍はそうした関わりを持つことが制限されるという、なんとももどかしい期間でした。
それが、あけてきた今、ワーケーションでこの地を訪れる人と地域の人との新たな関係性が築かれることを期待してしまいます。

LivingAnywhere Commons伊豆下田でのワーケーションユーザーと地域の方との交流会にて。
地域の人との交流により、より下田への理解や愛着が湧くようです。
こうした交流の機会が持てるのもコロナ禍から脱したからともいえます。

…ということで『下田deワーケーション』!

このマガジンでは、地域外から下田に来てワーケーションを楽しむ人や、おススメのワーケーション滞在時の過ごし方…などなどを紹介していきます。

観光シーズンには行列が出来る人気店に、オフシーズンならのんびり行けるのもワーケーション滞在の魅力かもしれません。入田浜 FermenCo.にて。

ワーケーションやってみたいけど…どんな風に?どこで?とワーケーションに興味津々の方。
ワーケーション?
仕事と休暇は切り離さなきゃ!というワーケーション否定派の方。
すでにワーケーションは各地でしてるけど下田は行ったことない!というワーケーション上級者の方。
そんなこんなの皆さまにお役に立てる情報を発信していきたいと思っております!

次回は、下田でのはじめてのワーケーションをキッカケに、すっかり下田の魅力にハマってしまい、『しもズブ民』(下田にズブズブにハマった人)を増やすことをミッションとした会社、その名も『株式会社 しもズブ』を起業した藤井 瑛里奈さんをインタビュー!
『下田deワーケーション』をすることの魅力、ワーケーション中の過ごし方について語って貰います。

乞うご期待!


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